
「もう22時か……」
重工メーカーの機械設計職として、製品担当になった私は、年間400枚近い図面を出していました
膨大な量の図面作成に追われていた私は、文字通り「パンク」状態
毎日22時まで残業し、たまに土曜出勤
それでも積み上がり、増えていく仕事の数
しかし、ある日気づきます

「頑張るだけでは、いつまでたっても仕事は終わらない 何かを変えなければ」
今回は、私が年間400枚の出図をキープしつつ、22時→19時帰宅を遂げた「脱・根性論」仕事術
さらに、どのように今のキャリア設計(コンサル転職への挑戦)に繋がっているのかをお話しします
1日の残業を3時間減らした3つの「脱・根性論」の仕組化

このまま潰れるのを避けるために、次の3つの「脱・根性論」の仕組化を実行しました
- 「聞きまくる」ことで暗黙知のフォーマット化
- 「言いまくる」ことで最新CAD導入実現
- 「完璧主義」の捨て場所を見極める

結果、1日の残業を、3時間減らすことができました
順番に解説していきます
「聞きまくる」ことで暗黙知のフォーマット化

とにかく先輩や上司にわからないことを「聞きまくる」
そして、聞いたことをExcelで式を組み込みつつ、まとめました
新卒の自分には、社内の承認ルールのようなことから、設計のポイントもわかりませんでした
そこで、プライドを捨てて先輩や上司に「聞きまくる」ことを徹底
ただ聞いて終わりではなく、聞いた内容を自分専用の「技術資料・計算書」としてExcelにまとめ、一度聞いたことは自動化する仕組みを作りました
「言いまくる」ことで最新CAD導入実現

3年にわたり最新CADの導入を「言いまくり」、最新の3DCAD導入を実現しました
というのも、私が入社した時のCAD用PCは、”Windows2000・メモリ12MB・15人で1台のみ”という状況に耐えかねたため

これは2010年代の状況です
また、図面は外注していたので、自分たちは書く必要がありませんでしたが、この外注先が設計効率化のボトルネックになっていました
理由は、どんなにしょうもないミスでも、修正に1日以上かかるため

修正するのが社外の人のため、コミュニケーションコストが高いこと
さらに、彼らは他の仕事で手一杯で、ちょっとした修正は後回し
競合もいない外注先で、CAD能力の向上も見込めず、出図遅れのネックになっていました
この問題解消のために、単に「楽をしたい」ではなく、「現状のインフラがいかに損失を生んでいるか」を伝え、3年越しに最新CAD・個別・ハイスペックPCの導入を実現しました

結果として、図面修正速度やコミュニケーションコストは激減
CAD操作も覚えることで、作図効率化の検討ができるようになりました
「完璧主義」の捨て場所を見極める

3年目以降は、「完璧主義」を捨て、ほどほどの完成度でアウトプットするようにしました
最初は全ての寸法や公差に理由を求めていましたが、それでは1年で400枚の出図ができないと気づきました

入社直後は、上司から図面を差し戻されるのが嫌で、事前に製品の理論や暗黙知など、寸法の理由を調べつくす、完璧主義になっていました
さらに3年目からは、”重要なところ”と”重要でないところ”の見分けがつくようにもなり、出図時間削減のために、完璧主義を捨てました
「どこに力を入れ、どこで手を抜くか」という判断基準を持つことで、出図スピードは劇的に上がりました
この仕事が「コンサル業界」で評価される理由

今、私は製造業特化型のコンサルタントを目指しています
その活動の中で知らされたのは、今回ご紹介した「プロセスの改善」は、コンサルタントの業務に近いこと
理由は、下記のとおり
- 課題の構造化:
なぜ出図が終わらないのか?(PC不足、スキル不足、工程のムダ) - 仕組みによる解決:
根性だけではなく、ツール(Excel/CAD/AI)で解決する - 組織への波及:
自分の作った計算書を共有し、チーム全体の効率を上げる
あなたが今、目の前の図面やタスクに追われているとしたら、解決を試みてはみてはいかがでしょうか
その経験は、「コンサルにも通用するスキル」となり、キャリアアップにつなげることができます
まとめ:仕組みを変えて残業減・時給向上を実現する

次の方法で、仕事の仕組みを変えることで、残業を減らし、時給を上げていきました
- 「聞きまくる」ことで、暗黙知のフォーマット化
- 「言いまくる」ことで最新CAD導入実現
- 「完璧主義」の捨て場所を見極める
正直ありきたりですが、無難だからこそ、効果がありました
そして、残業時間が減ったことによる余暇時間で、自己研鑽や家族との時間に使うことで、実質時給は向上しました

残業した方が給料は増えますが、時給換算すると、年を経るごとに下がっていきます
理由は、時間がより貴重になっていくため
特に家族がいるは、時間のなさに悩んでいるのではないでしょうか
その”悩み”こそが、時間が貴重であるために発生しています
キャリアと家庭の両立を考えるうえで、どちらか一方を捨ててしまうのは、大きな損失につながります
将来に高い代償を払わないためにも、いまこそ残業を減らし、長期的に見て時給を上げるためにも、まずは「この無駄を仕組みで解決できないか?」と考えてみてはいかがでしょうか
その問いこそが、会社に依存しない、あなただけのキャリアを切り拓く第一歩になります
おまけ:年間400枚出図の絶望具合

重工業の設計において「400枚」という数字は、単なる枚数以上の重みがあります

図面は外注で、過去図面の流用もできるので、”400枚”という字面よりは楽なのだと思います
それでも、図面一枚ごとに、寸法と計算書を照らし合わせて確認
図面流用でも、同じプロセスが必要で、さらに出図以外の仕事もあり、定時での帰宅は不可能
さらに定時退社している人もほぼおらず、私の所属した設計部は、完全に不夜城となっていました
また、承認プロセス(上司や部長のハンコ)の面倒もある中で、稼働日数を250日とすれば、土日を除き毎日1.6枚、承認まで得て出図し続ける必要があります
これに加えて、当時の仕事環境は最悪です
- インフラの劣化: 15人で1台の低スペックCAD用PC(実質使用不可)
- インフラ更新のハードル: 「金がない」という理由でインフラ更新見送り
- 非効率な修正ループ: 仕方なく外注に頼むが、小さなミスが繰り返され、出図がずるずる遅れる
「図面を待つために残業する」という、笑えない状況に陥っていました